長野県SDGs推進企業登録制度

SDGs
2022.08.4

国としての取組

2015年に国連でSDGsが採択されると、日本では2016年にSDGs推進本部が設立。

翌2017年には「ジャパンSDGsアワード」というSDGsへの優れた取組を行う団体・企業への表彰制度を創設。

さらに2018年には「SDGs未来都市選定制度」を開始し、自治体のSDGsへの取組を推進してきました。

上記制度だけでなく、毎年「SDGsアクションプラン」を策定し、国内外へ発信し続けています。

ただし、SDSN(持続可能な開発ソリューションネットワーク)の発表によると、世界での日本のSDGsの達成度は19位。特にジェンダー平等(目標5)と環境問題(目標13~15)への評価が低く、今後イノベーションが強く求められる分野もあり、まだまだ課題山積なのが現状です。

長野県の取組

長野県では「しあわせ信州創造プラン2.0」という5ヵ年計画をもとに、さまざまな政策をSDGsの目標と関連付けて策定しており、そういった取組が評価され2018年に「SDGs未来都市」として国から選定されました。

「長野県SDGs推進企業登録制度」もその取組の中の一つ。

環境問題や社会問題、また地域貢献などに熱心に取り組んできた県内企業に、優位性を付加し競争力の強化を図るため2019年4月に創設された登録制度です。

登録された企業は、会社のブランドイメージ向上により、ステークホルダー(利害関係者)からの支持人材確保に有利になるだけでなく、社員のモチベーションアップによる生産性の向上や効率化など、そのメリットは多岐にわたります。

さらに近年、ESG投・融資(企業における環境問題、社会問題、企業統治への取組を評価基準にする投資・融資)も増えてきており、「長野県SDGs推進企業登録制度」への登録企業は右肩上がりで増えています。

また長野県は2019年に東日本台風による千曲川氾濫という大きな自然災害を受け、全国の都道府県として初めて気候非常事態を宣言しました。

その中で、2050年までにゼロカーボン(温室効果ガスである二酸化炭素の排出を実質ゼロにする)を決意しており、徹底的な省エネと再生可能エネルギーの普及拡大を具体的目標に掲げています。

さらに「学び」「教育」に重点をおいた中長期的なビジョンで、さまざまな地域創生SDGsへの取組を実践している数少ないSDGs未来都市です。

SDGs推進企業になるために

SDGsへの取組は、国や自治体が主導する必要があります。

ただそれだけでは到底達成できないものばかりです。

掲げられている17の目標は、どれも一見「きれいごと」「他人事」に見えてしまうほど世界の難問・課題がわかり易く表現されていて、がゆえにその深刻さが伝わりにくくなっています。

国や自治体が先導し、企業・団体が追随でき、一般市民が参画できる仕組みがSDGsには必要です。

すでに多くの大企業がSDGsに取り組んでいますが、中小企業にとっては、SDGsへの取組は「絵に描いた餅」のように取り扱われている現状があります。

「いいことだとはわかるけど・・・」とか「取り組みたいけど今はまだ無理・・・」といった言葉をよく耳にします。

しかし実際、取り組むことで多くのメリットを享受している企業も増えてきています。

そして何より、地域の産業を支えている多くの中小企業が、SDGsの背景にある世界の深刻な課題を知り、その解決に向け行動を起こすことができなければ、経済活動自体が立ち行かない世界になってしまいます。

SDGsを推進するということは、まず企業経営者がSDGsを知り、自社との関連性を考え、課題解決のためにできることを模索し、それを企業理念として開示することが必要です。

「長野県SDGs推進企業登録制度」の申請書のチェック項目は、企業活動とSDGsとを関連付け、企業として何が大切で、どういった取組が必要なのかが具体的に表記されていて、「SDGs推進企業」になるためのすべてが記されています。

一見「きれいごと」「他人事」に見えるSDGsですが、これからの時代「SDGsに取組んでいない企業」として見られるデメリットは大きくなるばかりです。

まずは、この「長野県SDGs推進企業登録制度」のことを少し調べてみてください。

国や自治体がバックアップしている『今』が一番取り組むべき時だと思います。

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