「伊那小学校」のこと知ってます?

教育
2022.04.27

まるで動物園⁉

わが子の通う長野県の伊那市立伊那小学校の中庭にはニワトリだけでなく、ヤギや羊、ポニーやミニブタまで、まるで動物園のような、さまざまな動物が飼育され、体育館の入り口付近にある小川ではアマメの稚魚を養殖し、それだけではありません。学校裏の林の中には、子供たちだけで建てた2階建ての小屋が並んでいます。

先日わが子の卒業式があり、親子総出で子供たちが建てた2階建ての小屋を解体してきましたが、子供たちが試行錯誤した結果、大量の釘や筋交い金具で補強されていて、解体するのも一苦労でした。

なぜ公立小学校でこんなことができるのか?

伊那小学校では約60年以上もの間「通知表」がありません。

固定的なチャイムや時間割もなく、探究をテーマにした「総合学習」の長い歴史のある非常に稀な小学校です。

「総合学習」とは、出来合いの答えばかり勉強するのではなく、自分なりの問いを立て、自分なりの方法で、自分なりの答えにたどり着く、そういった探究型の学びです。

先に述べた、動物の飼育や小屋の建設も、子供たちが自ら考え、計画を立て、実行し、その過程でおこる様々な問題・課題を先生と一緒になって解決していく。

そこで得た経験と知恵は、出来合いの授業で身につくものとはまた一味も二味も違うものになります。

伊那小学校では、その長い歴史の中で、無数のプロジェクトの成功や失敗を積み重ね、歴史を紡ぎながら、そして何より先生方の絶え間ない努力の積み重ねで、今日までの約60年間という長い期間にわたり「総合教育」を守り続けているようです。

総合学習とSDGs

では、この総合学習とSDGsがどう関連するのか。

SDGsのゴール4は「質の高い教育をみんなに」です。

これは単に「学校に行きたくても行けない子供たちに教育の機会を与えよう」ということだけではありません。先に述べたように、総合学習とは探究型の学びです。この「探究」とは、自発的に考え、問題を見つけ出し、その問題をどのように解決するか、ということを常に考えながら行動しなければなりません。これがSDGsの根本的な考え方とつながります。

人間は、ともすれば裕福な現状に満足し、自分さえよければそれでいいという自己中心的な考え方に陥りがちです。そうなると、今の現状に満足できず、いろんなことに感謝できなくなってしまいます。食べ物への感謝、電気・ガス・水道は、お金さえ払えば使えるのはあたりまえ。そうなってしまうと悲しいですよね、、、。

広い視野で世界に目を向けること。現状に満足せず常に問題意識を持つこと。そしてそれをみんなで互いにリフレクションする機会を持つこと。ぜひ皆様もいろんなことを「探究」してみてください。

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